AK-47カラシニコフ銃の開発者、カラシニコフの怒りと常識

『カラシニコフ自伝』から感じたこと

日本では、兵器の開発をするような人間は悪人であるかのようにとらえがちですが、自伝から受けた印象はまったく違ったものでした。

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真面目な人。そして祖国を愛した人。

技術者としての義務を果たした人であるように感じました。

AK-47カラシニコフ銃とは、自動小銃のことで、世界中で5百万から7百万丁ほど流通していると言われています。しかしこれは正式にライセンスされた統計数なので、不法にコピーされた数も入れると、1億丁を越えるらしい。

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扱いやすく、壊れにくい。

また構造が簡単なため、子供でも短時間に射撃から分解組立を覚えることが出来ます。

中東やアフリカ、南米で暴れているテロリストのほとんどが使用しています。

そのため、AK-47による死傷者は年間25万人ともいわれ「世界最強の殺人マシーン」とも呼ばれています。

ミハイル・カラシニコフのエピソード

ミハイル・カラシニコフは常識のある人間でした。それがはっきりと分かるエピソードがあります。

Wikipediaカラシニコフより

カラシニコフは「祖国を守るために銃を作っただけだ。AK-47のせいで人々が死んでいる原因は政治家にある」と述べている。実際に、日本の雑誌社ホビージャパンが自社で刊行していた、少女が軍人に扮している日本の漫画『魔法の海兵隊員ぴくせる☆まりたん』のために、サインを貰いに行った際には「子供に銃を持たせちゃいかんよ!」と編集者を叱り付けていた

紛争地域の子供兵が、AK-47を持たされている現状を知っているカラシニコフからすれば、怒るのが当然です。

どんな漫画を見せたのか分かりませんが、こんな感じでしょう。

AK-47を持ったのでは、こんなのがありました。

DMMゲーム『シューティングガール』より)

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ただし、『魔法の海兵隊員ぴくせる☆まりたん』を読むと、作者も結構まともなことを描いています。

pixel-maritan.net

まりたん日記 » 2011 » 8月 » 23

武器オタクやミリタリーオタクは普通の日本人と違って、兵器に関する知識が豊富なので、ある意味世界の常識を知っているのです。

毎日新聞社、五味宏基元記者の常識

2003年5月1日、中東の国ヨルダンの空港である事件が起きました。

毎日新聞写真部の五味宏基記者が、クラスター爆弾の子爆弾を機内荷物に持ち込んだため、調べていたヨルダン人の空港治安警察官1人が死亡、5人が重軽傷を負いました。

ヨルダンの裁判では1年半の実刑判決がでたのですが、 ヨルダン国王の特赦でそのまま解放されて帰国しています。

たぶん、被害者とヨルダンに、多額のお金を支払ったのでしょう。

五味自身も、自ら実刑判決に従うつもりはなかったようです。

戦場を取材する者が、よく分からない金属片をそのまま機内荷物に入れる事自体が、すでに犯罪行為であると思うのですが。

無知とは恐ろしいものです。

戦争を理解するためには、兵器のことも知らなければ大変なことになる典型、と言ってもいい例です。

ちなみに、五味宏基氏は現在、フリーのカメラマンとして海外で活動しているようです。また事件を起こさなければいいのですが。

展覧会レポート「WE ARE ALIVE UNDER THE SKY — 生きている この空の下」展 @ギャラリー悠|吉祥寺Art Walk(アートウォーク)吉祥寺アート&ギャラリー情報サイト